2016年1月25日 (月) 19:36
こんにちは、陽なた鍼灸・整骨院の岡崎です。
今日は先日、「人間力を高める」をテーマにした講演会に参加して心に残ったことを紹介したいと思います。
3人の先生方にご講演いただきまして、今日はその中のお1人、全盲ろうの東京大学教授 「福島 智先生」のお話をご紹介させていただきます。
「ぼくの命は言葉とともにある」をテーマにご講演いただきました。
先生は、3歳で右目、9歳で左目を失明、さらに18歳で両耳とも完全に聞こえなくなってしまうという大変過酷な状況に置かれましたが、盲ろう者として初の大学進学、その後も盲ろう者として世界初の常勤大学教員となりました。この光と音を失った究極的な状態をどう乗り越えられたのか。
先生は、盲ろうの世界に初めて足を踏み入れた時の様子を次のように表現されています。「宇宙空間に一人だけで漂っている状態である」「周囲の世界が徐々に遠のいていき、自分がこの世界から消えて行ってしまうように感じられる」
そのような絶望の中、「指点字」という新たなコミュニケーション手段を得ることで、再びこの世界に戻ることができ、希望が湧いてきたそうです。
ちなみに、「指点字」とは、盲ろう者のコミュニケーション手段の一つであり、福島智先生のお母さんがふとしたきっかけで思いつき、発見されたものです。
そして、福島先生は障害があるという被害者意識が無く、自分が主語になって生きることを実践されている。また、元来の明るさやユーモアもあり、常に前向きに考えているそうです。さらに、人に与えることや喜ばせることを自然と行っている。そのような姿勢が多くの方々と結びつき、障害を乗り越えていったのではないかと思います。
全ての人が生きていくうえで、「他者とのかかわり」「他者とコミュニケーションをする」ことが必要不可欠で、それにより、自分の存在価値を見出していく。
そして、他者とのかかわりにより、自分の欠如している部分を補ってもらい、それを積み重ねていくことが人生で大切であると言っておられました。
また、言葉一つとっても、それが相手の心にどう響くかで、伝わり方は全く異なる。いくら長い言葉であっても、相手の心に響かないと何も伝わらないし、残らない、理解してもらえない。
普段何気なく使っている言葉・コミュニケーション
私も、相手に何かを伝えようとしたとき、自分では伝わっているつもりでも、実は相手に全然伝わっていなかったということがあります。
この、相手の心に響く・しっかりと伝わる言葉でコミュニケーションすることの大切さを改めて見直そうと思いました。
そして、日々の治療の中で、患者さんと鍼・灸・手、そして言葉を通してコミュニケーションすることにより、身体の状態や心の悩みなどしっかりと把握し治療に臨めるよう努めていこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
講演後の鏡開きの様子
私もおいしいお酒を1杯いただきました。